ヤマミチ 田山祐智2020年3月8日読了時間: 4分オリジナル薪ストーブ製作への長旅 15つ星のうち0と評価されています。まだ評価がありません本当は去年のうちに完成して商品化まで行きたかったんだけど、なんやかんやでいつものごとく先送りになってしまったオリジナル薪ストーブ。ともあれ、年末に試作第1号機を鉄工所に作ってもらいました。まず形からして「あれっ?」なんですが、これまでに特許云々と言っていたディテールがどこにもありません。実は設計図面までは作ったのですが、描き終える頃には私の中で疑問が膨らみ切っていて、「もっとシンプルにもっと効果的に作れるはず」という気持ちを抑えきれず、新しいアイデアの方で進めることにしてしまいました。それが上の写真なのですが、排気の炎を筒の中で螺旋を描くように上昇させれば、筒径を細くしていっても中央部はベルヌーイの定理で圧力が下がるはずだから、意外とスムーズに抜けていってくれるのでは?そして排気筒の断面積は小さいから炎は集約されてしっかり温度は上がる。。。という仮定を信じて作ってみました。ちなみに、性能とは別の見た目的,実用性の特徴としては、1.ガラスがめちゃ大きくて炉内の炎がダイナミックに楽しめる2.扉がなく、ガラスそのものにハンドルを取り付けて上げ下げで開閉する → 可動部分の削除&コストダウン&左右がなくユニバーサルデザイン3.10インチのダッチオーブンがすっぽり余裕をもって入る炉内寸法設計4.炉内両脇に耐火レンガを配置して、炉床の温度維持&網台を兼ねる5.市販のバーベキュー網が内部にそのまま置いて使える(別途五徳がいらない)6.最大使用可能薪サイズは45㎝7.大人一人で持ち上げられて移動できる(ってことは多分40kg~50kg程度に収まっている)持ち帰り時、ライトバンの荷台に一人の力で積み下ろしできた。 *年明け、部品もそろったところで仕上げを組み立てていきます。ガラスのスライド部分には気密の為に耐火ガスケットを貼り付けます。これはたしかSCANの純正ガスケットで、フラットタイプを使いました。ガラスの摺動部分はローラーベアリングでガイドします。シールドされたベアリングなのに1ヶ¥100って安いよね。 モノタロウ様様です。取っ手を取り付け。ガラスに局部応力がかからないよう、できるだけ大きな座金で挟み込みます。(耐熱ガラス屋さんにはあらかじめ寸法を指定して穴を空けて製作してもらいました)結果、まずまず良い抵抗感(気密性)を確保した状態で上げ下げできました。炉内に灰を敷いて、意味はないけどとりあえず耐火レンガも2ヶだけ仮置きしてセッティング完了。さあ、いざ点けてみる!………。(このあと、あまりのショックに写真撮っていません)全く、まったく! 燃えませんでした!煙突どころか、給気口からも煙がでてきました。………。言葉も出ねぇ。数十分間うろたえながら観察後、仮定と決別すべく、ステンレステーパー管と細い直筒を取り除いて再度燃焼を試みました。お、今度は燃えた。と同時に萎えた。何のために高価な316ステンレス板買って加工までしたんだ…。で、しばらく燃やしてみたら、ガラスの下部分をちょっと開け(普通のストーブで言うところの扉ちょっと開け)ておくと勢いは良いものの、全部閉じちゃうとあからさまに給気量不足で炎が小さくなっていく。これじゃ巡航運転できない。給気の予熱経路として鋼管パイプを5本天板付近に走らせたんだけど、全然足りなかったか…。これはもともと嫌な予感はしてたから的中したかたち。天板は2層構造は取りたくないんだよなあ。それと考えてみれば当然だったんだけど、このストーブ、ちっとも暖かくなりません。煙突とボディが別体になっているため、煙突を抜ける熱がボディに熱伝導してきません。一番温度の高い煙突からの排熱がもらえないので、実に無駄です。*なんだかすべてが裏目で萎え萎えに終わった一回目の試作機。でも、得たものも一応ありました。最初から最後まで煙が全然見えず、燃焼状態は良いみたいだということ。煙突の出口から覗いてみると、きれいに渦を巻いて渦流燃焼しているのが分かります。これならきれいに燃えてくれてそうです。まっすぐ縦に立ち上がるよりも、何回転も渦を巻くことで排気経路が伸びてかつ何度も混ざり合うことで良く燃えるのだと思います。*今回の結果を踏まえて、今度はこのストーブを切った張ったしてもらって改善策を施します。ものづくりにおいて”足し算”はあまりしたくない性分なのですが、まずは要素を洗い出すために形とかの洗練性は度外視して取り組んでいってみます。*作り出す前は意味不明な自信があって一発でうまくいくつもりしてたのに、いざ現実を目にしたらなんか一気にゴールが遠ざかって長くなりそうな予感がしてきた…。
本当は去年のうちに完成して商品化まで行きたかったんだけど、なんやかんやでいつものごとく先送りになってしまったオリジナル薪ストーブ。ともあれ、年末に試作第1号機を鉄工所に作ってもらいました。まず形からして「あれっ?」なんですが、これまでに特許云々と言っていたディテールがどこにもありません。実は設計図面までは作ったのですが、描き終える頃には私の中で疑問が膨らみ切っていて、「もっとシンプルにもっと効果的に作れるはず」という気持ちを抑えきれず、新しいアイデアの方で進めることにしてしまいました。それが上の写真なのですが、排気の炎を筒の中で螺旋を描くように上昇させれば、筒径を細くしていっても中央部はベルヌーイの定理で圧力が下がるはずだから、意外とスムーズに抜けていってくれるのでは?そして排気筒の断面積は小さいから炎は集約されてしっかり温度は上がる。。。という仮定を信じて作ってみました。ちなみに、性能とは別の見た目的,実用性の特徴としては、1.ガラスがめちゃ大きくて炉内の炎がダイナミックに楽しめる2.扉がなく、ガラスそのものにハンドルを取り付けて上げ下げで開閉する → 可動部分の削除&コストダウン&左右がなくユニバーサルデザイン3.10インチのダッチオーブンがすっぽり余裕をもって入る炉内寸法設計4.炉内両脇に耐火レンガを配置して、炉床の温度維持&網台を兼ねる5.市販のバーベキュー網が内部にそのまま置いて使える(別途五徳がいらない)6.最大使用可能薪サイズは45㎝7.大人一人で持ち上げられて移動できる(ってことは多分40kg~50kg程度に収まっている)持ち帰り時、ライトバンの荷台に一人の力で積み下ろしできた。 *年明け、部品もそろったところで仕上げを組み立てていきます。ガラスのスライド部分には気密の為に耐火ガスケットを貼り付けます。これはたしかSCANの純正ガスケットで、フラットタイプを使いました。ガラスの摺動部分はローラーベアリングでガイドします。シールドされたベアリングなのに1ヶ¥100って安いよね。 モノタロウ様様です。取っ手を取り付け。ガラスに局部応力がかからないよう、できるだけ大きな座金で挟み込みます。(耐熱ガラス屋さんにはあらかじめ寸法を指定して穴を空けて製作してもらいました)結果、まずまず良い抵抗感(気密性)を確保した状態で上げ下げできました。炉内に灰を敷いて、意味はないけどとりあえず耐火レンガも2ヶだけ仮置きしてセッティング完了。さあ、いざ点けてみる!………。(このあと、あまりのショックに写真撮っていません)全く、まったく! 燃えませんでした!煙突どころか、給気口からも煙がでてきました。………。言葉も出ねぇ。数十分間うろたえながら観察後、仮定と決別すべく、ステンレステーパー管と細い直筒を取り除いて再度燃焼を試みました。お、今度は燃えた。と同時に萎えた。何のために高価な316ステンレス板買って加工までしたんだ…。で、しばらく燃やしてみたら、ガラスの下部分をちょっと開け(普通のストーブで言うところの扉ちょっと開け)ておくと勢いは良いものの、全部閉じちゃうとあからさまに給気量不足で炎が小さくなっていく。これじゃ巡航運転できない。給気の予熱経路として鋼管パイプを5本天板付近に走らせたんだけど、全然足りなかったか…。これはもともと嫌な予感はしてたから的中したかたち。天板は2層構造は取りたくないんだよなあ。それと考えてみれば当然だったんだけど、このストーブ、ちっとも暖かくなりません。煙突とボディが別体になっているため、煙突を抜ける熱がボディに熱伝導してきません。一番温度の高い煙突からの排熱がもらえないので、実に無駄です。*なんだかすべてが裏目で萎え萎えに終わった一回目の試作機。でも、得たものも一応ありました。最初から最後まで煙が全然見えず、燃焼状態は良いみたいだということ。煙突の出口から覗いてみると、きれいに渦を巻いて渦流燃焼しているのが分かります。これならきれいに燃えてくれてそうです。まっすぐ縦に立ち上がるよりも、何回転も渦を巻くことで排気経路が伸びてかつ何度も混ざり合うことで良く燃えるのだと思います。*今回の結果を踏まえて、今度はこのストーブを切った張ったしてもらって改善策を施します。ものづくりにおいて”足し算”はあまりしたくない性分なのですが、まずは要素を洗い出すために形とかの洗練性は度外視して取り組んでいってみます。*作り出す前は意味不明な自信があって一発でうまくいくつもりしてたのに、いざ現実を目にしたらなんか一気にゴールが遠ざかって長くなりそうな予感がしてきた…。
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